確定拠出年金は、受取りまで無事行うことがゴールです。
途中は利益を大きく出していたけど、受取直前に運用環境が悪化して、結局元本割れという事態にならないよう、運用の見直しも検討しましょう。
現在投資信託を保有している場合の運用見直し
まず、確定拠出年金の運用を投資信託で行っている場合ですが、残高は毎日変動しますので、何もしなければ、受取り時期の市場環境で受取額が決まることになります。特に、株式など変動の大きい資産で運用されている場合、受取り直前の急落を避けるには、運用の見直しが重要です。
この場合、定期預金などの安全資産にスイッチング(預替)を行うことで受取り直前の急落を回避できます。すでに目標額に到達していたり、ある程度納得のいく利益がでている場合は、全額安全資産にスイッチングして利益確定しても良いでしょう。一方、もうしばらく市場環境をみながら判断したいといった場合は、受取り時期までに複数回に分けてスイッチングしてみても良いでしょう。
なお、掛金で購入している商品については、一般に保有残高と比べて少額のため、市場環境を意識せず、受取希望時期の数年前にすべて安全資産に配分変更(商品別配分変更)しても良いでしょう。
安全資産の場合に気をつけるべきこと
定期預金や保険商品などの安全資産で運用を行うと、受取り直前に資産額が大きく変動することはありませんので安心ですが、次の事項にはご留意ください。
・保険商品を他の商品へスイッチングすると、解約控除等が発生し、元本割れとなることがあります。一般に、一時金や確定年金で受け取る場合は、解約控除等は発生しませんので、受取りを意識しているのであれば、保険商品の解約(スイッチング)はせず、そのままにしておきましょう。詳しくは加入者サイト等で商品情報を確認しておきましょう。
・定期預金や保険商品にはインフレリスクがあります。インフレの環境が続くと、受取時の金額が元本を下回らなくとも、お金の実質価値は当初より低下する結果となります。分割で受取る場合など、受取りまでの期間が長い場合は、その間のインフレには注意しておきましょう。