WPPとは、
働けるうちは長く働き(work longer)、
私的年金(private pension)を中継ぎとし、
最後は公的年金(public pension)で締める
という、セカンドライフ実現に向けて提唱された考え方です。
DCはこの中で、長く働く部分で優位性を発揮し、その後「私的年金」として活用できるので、WPPにピッタリの仕組みとも言えます。
WPPの必要性
今までの老後資金準備は、足りない部分の上乗せとして私的年金等を準備するという考え方が主流でした。しかし人生100年時代、どこまで長生きするかわからない中、老後生活の途中で私的年金等の資産が枯渇してしまうのではという不安から、生きている限り終身でもらえる権利である公的年金を最大限活用しようとWPPの考え方が出てきました。このWPPについて、もう少し詳しく見ていきましょう。
働けるうちは長く働く(work longer)
これから年金を受給する人の多くは、65歳になるまで公的年金を受給できない(繰上受給を除く)ので、60歳早々にリタイアすると、65歳までに資産を食いつぶしてしまうことさえ懸念されます。
できれば、60歳以降も働いて資産を切り崩さずに生活していきたいものです。教育費や住宅ローンの負担が終わっているという方であれば、DC・iDeCoに積み立てをして、老後に向けてより充実した資産を形成することも考えられます。
私的年金(private pension)を中継ぎ、そして公的年金(public pension)で締める
あえて、65歳から公的年金を受給せず、リタイア後はDC等で積み立てた資産を優先して取り崩して生活することで、公的年金の受取額を増やすことが可能です。66歳まで受給を待つと、年金額は8.4%増加します。その後、1ヵ月遅らせるごとに0.7%増加、70歳まで待てば42%増加します。さらに75歳まで待てば最大で84%も増加します。この増加した年金額が生きている限り受け取れますので、老後生活の心配を大きく減らすことができます。
老後生活の一つの不安は「どこまで長生きするかわからない」ところにあります。人生100年時代、より長生きしたときの対応として、WPPについて考えてみてはいかがでしょうか。