ここでは、分割(年金)受取りのメリットと注意すべきポイントについてお伝えしたいと思います。
メリット①:公的年金等控除を60歳から活用できる
実は年金にも給与と同じように税金がかかってしまいますが、公的年金等控除を受けることで年金にかかる税金の一部または全額が軽減される仕組みとなっています。
この公的年金等控除は60歳から使うことができるのですが、一般的には公的年金の受取りは65歳からですので、60歳から公的年金等控除を使うことができません。
つまり、60〜64歳の期間は、公的年金等控除の枠があっても「宝の持ち腐れ」ということになってしまいます。
どうせなら、この空白の期間もお得に活用できるといいですよね。
そこで活用したいのが60歳から受取りができる確定拠出年金の分割(年金)受取りです。
確定拠出年金を60歳から分割(年金)で受取ることで、公的年金等控除を受けることができます。
60~64歳の期間は、最低でも年間60万円までの控除枠があるので、60万円以下の受取り額であれば税金がかかることはありませんので、お得になります。
メリット②:使い過ぎを防ぐことができる
一括受取りを選択すると、一度に大きなお金が入ってくるので、ついつい心が浮き足立ってしまい、お金を使いすぎる傾向があります。
分割受取りであれば、そのようなことが防げますので、「あるとついつい使っちゃう」という方にとっては、メリットがあるのではないでしょうか。
次に注意点についてみていきましょう。
注意点① 税金や社会保険料の負担が増える可能性がある
年金受取の場合、「雑所得」として、他の所得と合算して扱われます。
そしてその所得に応じて所得税や住民税、国民健康保険料等が決まるので、これらの負担が増える可能性があります。
注意点② 手数料がかかる
DCの資産を受取る場合、受取ごとに「給付手数料」という振込手数料がかかります。また、資産をすべて受取るまで、通常口座管理手数料(プランにより取扱いが異なります。)が発生します。
以上のように、一括受取りと同じく、分割(年金)受取りにも一長一短があります。ぜひ両者を比較しながら、ご自身のライフプランに合った受取り方をご検討ください。