iDeCoの満額拠出するべき?職業別の上限額と拠出額の決定方法

2023/02/15最終更新

iDeCoの満額拠出するべき?職業別の上限額と拠出額の決定方法

iDeCo(個人型確定拠出年金)は、原則として60歳以上でないと受け取りができません。生活に支障がない範囲で安定して拠出できるよう、拠出額をどれくらいに設定するのかを慎重に検討しましょう。

iDeCoの拠出金額には、下限額と上限額があります。上限額は職種によって異なるため、上限額を確認したうえでご自身の貯蓄状況などから総合的に拠出額を決定してください。

今回は、iDeCoの概要や拠出額のルール、拠出額を決める際のポイントを解説します。iDeCoを運用中の方やこれからiDeCoをはじめる方は、ぜひ参考にしてください。

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東証一部上場企業で10年間サラリーマンを務める中、業務中の交通事故をきっかけに企業の福利厚生に興味を持ち、社会保障の勉強をはじめる。以降ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間毎年約100件のセミナー講師なども務める。趣味はジャザサイズ。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信しています。

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自分の拠出額はいくらが満額になる?下限額・上限額を知っておこう

個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)では、毎月拠出できる掛金に上限があります。上限となる金額は、個人の属性によって異なるので、表にまとめてみました。まずは、ご自分がどこに属するかを確かめ、掛金の上限を把握しておきましょう。

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国民年金保険の加入状況 具体例 掛金の拠出額の上限
第1号被保険者 自営業者等 月額6.8万円
(年額81.6万円)
第2号被保険者 企業年金に加入していない会社員※1 月額2.3万円
(年額27.6万円)
企業型DCのみに加入している会社員※2 月額2.0万円
(年額24万円)
上記以外の会社員※2 月額1.2万円
(年額14.4万円)
公務員 月額1.2万円
(年額14.4万円)
第3号被保険者 専業主婦(夫)など 月額2.3万円
(年額27.6万円)
任意加入被保険者 60歳までに老齢基礎年金の受給資格を満たしていない場合などで60歳以降も国民年金に加入している方など 月額6.8万円
(年額81.6万円)
  • ※1企業年金には、企業型確定拠出年金(企業型DC)、確定給付企業年金(DB)、厚生年金基金、石炭鉱業年金基金、私立学校教職員共済があります。
  • ※2企業型DCのみに加入している人は「月額5.5万円―各月の企業型DCの事業主掛金」(月額2万円が上限)まで、企業型DCとDB等の他制度に加入している人は「月額2.75万円―各月の企業型DCの事業主掛金」(月額1.2万円が上限)まで、iDeCoの掛金を拠出できます。2024年12月からiDeCoの掛金上限額は、「月額5.5万円―(各月の企業型DCの事業主掛金+DB 等の他制度掛金相当額)」(月額2万円が上限)に統一されます。制度の加入状況により、iDeCoの拠出限度額が変動する可能性があります。
  • 加入条件と掛金額について、詳しくはこちら

iDeCoの下限額は5,000円/月

iDeCo掛金の下限額は月5,000円であり、1,000円単位で自由に金額を設定できます。少額から手軽にはじめられるのは、iDeCoのメリットの一つといえます。

月々の支払いが少額だったとしても、数年、数十年積み立てていくと総額は大きくなります。掛金額は原則として60歳まで引き出せないため、無理なく継続して拠出できる掛金額に設定しましょう。

iDeCoの上限額は職業によって異なる

掛金の下限額はどのような職業の方でも一定ですが、上限額は職業によって異なります。

まず、第1号被保険者(自営業者等)の場合、iDeCo掛金上限額は月額6.8万円(年額81.6万円)です。iDeCoの月額掛金は、国民年金基金または国民年金付加保険料を合わせた金額となるため注意してください。

次に、第2号被保険者(会社員・公務員等)の場合、iDeCo掛金上限額は月額1.2万円から2.3万円です。企業型DCやDB、企業年金の加入の状況により掛金上限が変わるため、ご自身の状況を確認して上限額を把握しておきましょう。

最後に、第3号被保険者(専業主婦・主夫)の場合、iDeCo掛金上限額は月額2.3万円(年額27.6万円)です。

なお、運用期間途中で転職・退職したなど、状況が変われば掛金の上限額も変わります。ご自身のライフステージに合わせて、掛金がどのように変化するのかも把握しておきましょう。

iDeCo掛金の設定方法

iDeCo掛金の設定方法と変更方法を解説します。

掛金の設定方法は月払いと年払いの2通り

iDeCoの掛金は月々定額の拠出が基本ですが、年1回以上、任意の月にまとめての拠出も可能です。(企業型確定拠出年金に加入している場合は、毎月定額のみとなります。)収入に余裕がある月にまとめて掛金額を拠出したい場合などには、年単位での拠出を活用してみましょう。

ただし、年単位拠出をしたい場合は書類の提出などの手続きが必要です。拠出期間や限度額にも詳細なルールがあるため、年払いを選択する前に確認しておきましょう。詳しくはこちら

掛金の支払いは、銀行口座からの引き落としで行います。第2号被保険者の場合、勤務先が事業主振込に対応していれば給与からの天引きも可能です。

運用途中に掛金を変更するには?

掛金額を増やして運用の幅を広げたり、掛金額を減らして生活費を確保したりするなど、運用途中で掛金を変更したい場合もあるかもしれません。そのような場合にも対応できるよう、掛金の変更方法を知っておきましょう。

設定した掛金額は1年に1回変更できます。掛金を変更したい場合は、「加入者掛金額変更届」を運営管理機関に提出してください。変更のたびに書類提出が必要となるため、変更内容は慎重に検討しましょう。

なお、掛金の拠出停止はいつでも可能です。生活状況が急に変化して掛金を拠出できなくなった場合は、拠出停止も検討してみてください。

iDeCoは老後の資産形成のための制度です。長期的な目線を持ち、運用方針等に合わせて柔軟に掛金額を変更しましょう。

実際に拠出する金額を決めてみよう

ご自分の掛金の上限を把握したら、実際に拠出する掛金の額を決めましょう。ここで注意したいのが、iDeCo(イデコ)の掛金は原則60歳まで引き出せないという点です。

  • お子さんが大学などに進学して、教育費がかかる。
  • 住宅ローンの支払いが大きい。
  • 家族が病気になって介護が必要になった。

など、一度に多額の支出が生じる可能性もあります。これらの可能性に備え、ある程度自由になる資金を作っておくのも大事です。

DCを用いた資産運用の3つのポイントとは?

繰り返しになりますが、iDeCo(イデコ)は60歳まで掛金を引き出せません。そのため、60歳になる前に必要なお金を得るための資産運用としては向いていないでしょう。このことも踏まえたうえで、掛金の金額も含めたiDeCo(イデコ)の資産運用のポイントを考えてみました。次の3点を意識してください。

  • 1.iDeCo(イデコ)を使う場合、ご自身の立場で拠出できる上限額を知り、現在の状況ならいくらまで無理なく拠出できるかを考えましょう。
  • 2.掛金の金額の見直しも含め、定期的に運用プランの見直しを行いましょう。
  • 3.ご自身、ご家族の必要に応じて、NISAなど、短期的な資産運用に向いている方法も組み合わせて資産運用に取り組みましょう。

また、iDeCo(イデコ)を含めた資産運用を行う際は、ご自身で情報収集をすることが大切ですが、金融機関の窓口・ファイナンシャルプランナーなどの専門家のアドバイスを仰ぐのもとても有効です。気軽に相談してみましょう。

まとめ

iDeCoの掛金には下限額と上限額があり、下限額は職業に関わらず一定ですが、上限額は職業等によって変わります。上限額を把握し、iDeCo運用に役立てましょう。

また、iDeCoで拠出した掛金は原則として60歳になるまで引き出せません。掛金額を設定する際は、ご自身の生活に支障が出ない範囲におさめるようにし、生活状況に合わせて適宜掛金額を変更しましょう。

りそなでは、iDeCoのご加入時はもちろん、ご加入後の相談・お悩みもしっかりサポートします。ぜひりそなでのiDeCoを検討してみてください。

初めてiDeCoに加入する場合は、まずはiDeCo加入資格を確認できる「かんたんWebエントリー」から資料請求してみましょう。りそなのサイト内にはiDeCoの基礎や運用に関するコラムも充実していますので、コラムも参考にしながら運用を進めてみてください。

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iDeCoの特徴

iDeCo(個人型確定拠出年金)は、拠出額や運用方法を自分で決定する私的年金制度です。基本的に、国民年金の被保険者であれば20歳以上65歳未満の方が加入でき、原則60歳以降に拠出額と運用益を受給できます。

iDeCoには、掛金が全額所得控除、運用益が非課税、受取時に税額控除などのメリットがあります。資産を運用しながら税制優遇措置を得られるため、iDeCoは老後の資産形成方法として有用だといえます。

iDeCoに加入したい場合は、iDeCoを取扱っている金融機関窓口で手続きをするか、インターネットで資料請求してください。

  • 当記事は2023年2月15日現在の税制・関係法令などに基づき記載しております。今後、税務の取扱いなどが変わる場合もございますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。
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