運用目標を立てよう!確定拠出年金を上手に運用するコツ

運用目標を立てよう!確定拠出年金を上手に運用するコツ

確定拠出年金(DC)は、積み立てた年金資産を自分で運用していく制度です。経験がない方でも、ちょっとしたコツを押さえれば大丈夫。ここでは、DCを上手に運用する上で押さえておきたい「運用利回り」と「資産配分」の考え方、そして、投資信託商品を選ぶ際のコツについて解説します。

着実な資産形成のポイント

着実な資産形成をするために大切なポイントは、

  • 60歳までにいくら準備したいか目標金額を決めること
  • 目標金額にするために、月々の掛金を何%で運用していくか(=運用利回り)を決めること
  • 運用利回りに見合った「資産配分」を考えること
  • 定期的に資産配分のチェックと見直しをすること

の4点です。

「資産配分」とは、運営管理機関ごとに揃えられている運用商品ラインナップの中から、最適な運用商品の組み合わせを考えることです。実は、この資産配分が運用成果の90%を決定すると言われているほど、大切なことなのです。

資産配分を考える際のポイント

資産配分を考えるにあたり、リスクとリターンの関係を理解しておきましょう。
「リターン」とは、運用によって得られる利益(または損失)のことで、平たく言うと、元本に対する差額のことです。
これに対し「リスク」とは、それぞれの商品のリターン(値動き)のブレ幅のことをいいます。

リスクとリターンのイメージ図をご覧ください。

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リスクとリターンのイメージ図

値動きのブレ幅(=リスク)の大きい商品Cは、期待リターン(=利益と損失)が大きく、値動きのブレ幅の小さい商品Bは期待リターンも小さい、ことが分かります。

資産配分を考える際には、このリスクとリターンを把握して組み合わせを考えることが大切です。
目標とする運用利回りが高い場合には、リスク・リターンが大きい商品を組み合わせる必要があり、運用利回りが低い場合は、リスク・リターンの小さい商品で組み合わせを考える、ということです。

このリスクとリターンは、主にどの資産に投資しているかによって、ある程度知ることができます。

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リスクとリターン

ただし、あくまで一般的な傾向であり、実際のリスクとリターンは個別の投資信託商品ごとに異なりますので、その点注意してください。
また、運営管理機関によっては、目標運用利回りに見合った資産配分割合を計算するシミュレーションが用意されていることもありますので、ご活用ください。

投資信託を選ぶ際のポイント

では、具体的に投資信託商品を選ぶ際のポイントです。
「商品説明」や「目論見書」などで、次の4つをチェックしてください。

1投資対象資産

国内外の債券・株式など、どの資産に投資しているのかを確認します。中には、「バランス型」と呼ばれるあらかじめ分散投資がされているパッケージ商品もあります。最初から自分で組み合わせを考えるのはハードルが高いという場合は、バランス型から始めるのも良いでしょう。

2運用方針

同じ資産に投資している商品でも、パッシブ型(あるいはインデックス型)とアクティブ型という大きく2種類の運用スタイルがあります。

国内株式型の投資信託を例にとって解説します。
パッシブ型は、東証株価指数(TOPIX)や日経平均株価(日経225)などの市場指数(ベンチマーク)に連動することを目標としており、運用コストが低く抑えられる傾向があります。ただし、ベンチマークを上回るリターンは期待できません。
アクティブ型は、ベンチマークを上回ることを目標とした、より積極的な運用をします。運用コストはパッシブ型より高くなる傾向があります。また、ベンチマークを下回ることもあります。

3運用実績

直近の運用実績を確認しましょう。運用実績は、運営管理機関のホームページに掲載されている「運用報告書」や「運用レポート」で見ることができます。
ただし、あくまで過去の成績であり、今後も同じ成績を挙げ続けられるとは限らないことは理解しておきましょう。

4信託報酬

信託報酬とは、運用会社等へ支払う運用手数料をいいます。運用期間中のランニングコストになるため、必ずチェックしましょう。
低いに越したことはありませんが、リターンやサービスの水準に見合うものかも判断基準になります。

運用開始後は定期的なチェックと見直しを

資産配分と具体的な商品選びをして運用をスタートさせたらそれで終わり、ではありません。
投資信託は、さまざまな要因で値段が日々変動するものです。そのため、徐々に、当初決めた資産配分割合から変化していきます。

そこで、次の2つのアクションを欠かさないことが大切です。

1定期的なモニタリング

年に1回など自分でタイミングを決めて、?各運用商品の「資産評価額(=その日の値段)」や資産残高が目標通り増えているかなどをチェックしましょう。また、資産配分割合が大きくズレていないかどうかも忘れずに確認しましょう。

2運用の見直し

資産配分割合が大きくズレている場合には、「スイッチング」をしてバランスを整えます。そうすることで、値動きの幅(リスク)を管理することが可能となります。
具体的には、割合が増えている商品を売却して、割合が減っている商品を購入します。

  • スイッチングとは
    保有資産の一部または全部を売却して、別の商品を購入すること。
    また、目標到達度や運用期間の変化などによって、必要な運用利回りと資産配分割合が変わってくることも考えられます。
    その場合には、これまで運用して積み立てた資産の割合だけでなく、「配分変更」をして、今後の掛金で購入する商品やその割合の変更が必要になってきます。
  • 配分変更とは
    毎月の掛金で購入する商品とその割合を変更すること

配分変更とスイッチングについては、下記記事にてご説明していますのでご確認ください。

こうした定期的なメンテナンスをする時間が取りにくい場合には、バランス型ファンドに投資して、いわば「プロにお任せ」するという方法もあります。
バランス型ファンドは、あらかじめ複数資産が組み込まれているもので、資産配分割合をプロがコントロールしてくれるため、リスクが抑えられ、見直しの手間もかかりません。中には、ターゲットイヤー型のように、運用期間が変化するに従ってハイリスク・ハイリターンからローリスク・ローリターンに資産配分を自動的に変えてくれる商品もありますので、上手に活用しましょう。

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