確定拠出年金の「利回り」とは?どう計算すればいいの?

確定拠出年金の「利回り」とは?どう計算すればいいの?

確定拠出年金において利回りが大事な理由

最初に、なぜ確定拠出年金では利回りを重視しなければいけないのか、という点について考えてみましょう。

現在、日本はデフレ(デフレーション)状態が続いていますが、将来インフレ(インフレーション)に転ずる可能性もあります。
インフレが起こると物価が上昇し、貨幣価値が下落します。わかりやすく言えば、インフレ率が年2%の場合、今まで100円で買えていたものが、翌年には102円でないと買えなくなるということです。このような状況で資産を減らさないためには、金融資産の運用においてインフレ率以上の利回りを達成しなくてはいけません。

また、確定拠出年金では金融商品に投資して資産運用をしますが、当初想定した利回り(想定利回り)より実際に運用した時の利回り(運用利回り)が低いと、損をしてしまう仕組みになっています。
このため、確定拠出年金においては利回りを重視しなくてはなりません。

運用利回りと将来の資産額の関係

ここでは、特に「運用利回りが違うと将来の資産額がどれだけ違ってくるか?」という点に絞ってご説明します。例えば、年間12万円(月1万円)を30年積み立てた場合、最終的な資産額は、運用利回りによって以下の通り変わってきます。

  • 運用利回りが4%の場合
    12万円×58.3283(※1)=699.94万円
  • 運用利回りが2%の場合
    12万円×41.3794(※2)=496.55万円

両者の差:699.94万円-496.55万円=203.39万円

  • ※1利回り年4%、運用期間30年の年金終価係数
  • ※2利回り年2%、運用期間30年の年金終価係数

かなり差があるのがおわかりいただけたでしょうか?

また、「何年にわたり、毎年いくら受け取るか」という観点からも、必要な目標資産額を計算できます。例えば、退職後20年にわたり、年間60万円(月5万円)を受け取る場合に必要な目標資産額は、運用利回りによって以下の通り変わります。

  • 運用利回りが3%の場合
    60万円×15.3238(※3)=919.43万円
  • 運用利回りが1%の場合
    60万円×18.2260(※4)=1093.56万円

両者の差:1093.56万円-919.43万円=174.13万円

  • ※3利回り年3%、運用期間20年の年金現価係数
  • ※4利回り年1%、運用期間20年の年金現価係数

目標に合わせた運用スタンスを

前述の計算例からもおわかりいただけるように、確定拠出年金においては「想定利回りを上回る運用利回りをあげられるかどうか」がとても重要になります。用意すべき金額も、将来受け取れる金額も全く違ってくるからです。

そこで、確定拠出年金に加入する際は、ご自分の目標をしっかりと定め、それに応じた運用スタンスを考えましょう。
その際には、利回りについてしっかりチェックするのを忘れないようにしてください。ご自分だけではわからない点がある場合は、ファイナンシャルプランナーや金融機関の担当者などの専門家のアドバイスを仰ぐのもおすすめします。

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