確定拠出年金運用の2大必殺技! 「配分変更」と「スイッチング」の違い

確定拠出年金運用の2大必殺技!「配分変更」と「スイッチング」の違い

確定拠出年金の運用方法とは?

確定拠出年金では、最初にどの運用商品をどの程度購入するかを決定しますが、時間が経過するにつれて、資産構成割合など運用の状況が変わる場合もあります。
年齢や環境の変化によって運用方針を見直す必要が出てくる場合もありますし、運用実績によって保有している資産のバランスが変化することもあります。

確定拠出年金は、あくまで自己責任で運用する仕組みのため、運用商品の変更は自分で行う必要があります。
運用変更の手続きには、「配分変更」と「スイッチング」の2つの手段があります。

配分変更とスイッチングの違い

配分変更

毎月の掛金で購入する、運用商品の種類や配分割合を変更することです。
年齢や運用環境の変化によって、リスク・リターンの大きい運用から小さい運用(あるいはその逆)に変更したい場合などに実施します。
配分変更に手数料はかかりません。また、締め切り前でしたら何度でもやり直すことができます。

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配分変更

なお、配分変更を行っても、これまで積み立ててきた資産の割合は変更されません。保有商品の割合も変更したい場合は、スイッチングも同時に行う必要があります。

このような資産配分を、プロにお任せできる商品もあります。例えば、ターゲットイヤーファンドは、運用期間が短くなるにしたがって積極運用から安定運用の資産配分に変えてくれる商品です。また、リスクコントロールファンドと言って、市場環境の変化に合わせて投資先や資産割合を変更してくれる商品もあります。
投資信託商品を選ぶ際には、バランス型と呼ばれるこのようなお任せ商品を活用するのも選択肢になります。

スイッチング

スイッチングとは、これまでに積み立ててきた資産の商品構成などを変更することです。
図のように、商品Aの一部を売却して商品Dを購入する、といった手続きです。
この場合、全体の資産残高は変わりません。

スイッチングをするケースとしては、主に次の2つが考えられます。

1利益を確保する場合

DCでは、60歳以上の給付開始年にならないと現金として受け取ることができない仕組みになっています。そのため、値上がりして損益がプラスになっていても、そのままにしておいて今後値下がりした場合には、利益が減る、または損失が出ることもあります。

そこで、投資信託の利益相当分を売却して、元本確保型商品を購入することにより、利益を確保することができます。

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スイッチング

2リバランスを行う場合

運用を続けていくと、掛金の配分と資産残高の配分が違ってきます。例えば、株価が下がったために商品BとDの資産全体に占める割合が減り、他の商品の割合が増えたとします。このままにしておいてももちろんいいのですが、スイッチングをして資産配分割合を元に戻しておくと、その後株価が上昇した際には、より大きなリターンが期待できます。
このような資産配分割合の調整を「リバランス」と言います。
年に1回など定期的にリバランスを行った方が、リスクを抑えリターンを安定させることに繋がりますので、運用状況のレポートが届いた際などタイミングを決めて実施するといいでしょう。

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リバランス

スイッチング自体には手数料がかかりませんが、一部の信託財産留保額(売却時手数料)が設定されている投資信託を売却する場合には、売却金額から手数料が差し引かれます。
また、売却・購入それぞれに数日かかりますので、スイッチングには日数がかかることを留意してください。

なお、バランス型商品の中には、資産配分割合が固定のものもあります。このような商品を選べば、リバランスの手間が省けますので、選択肢に入れたいものです。

最後に、配分変更とスイッチングの違いをイメージ図にしました。

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配分変更とスイッチングの違い

運用商品・資産配分見直しのタイミングは?

DCの運用見直しのタイミングは、主に次の2点です。

1.スケジュールを決めて一定期間ごとに見直しをする

「運用状況のお知らせ」など資産状況を知らせる通知が送られてくるタイミングや、誕生月など、一定の日を決めて資産配分の見直しをするといいでしょう。
何もしないまま放置しておくよりも、定期的にリバランスをした方が、リスクとリターンが安定します。年に1度は、運用状況をチェックする習慣をつけましょう。
なお、短期的な値動きに左右されて、頻繁に運用商品の変更をするのは好ましくありません。
資産形成にとっては、長期投資・分散投資・継続投資が肝要です。長期保有を前提とした運用を意識しましょう。

2.年齢や環境の変化に応じて見直しをする

例えば、60歳までの運用期間が30年以上ある20代は、株式型投資信託を多めにするなど、ある程度リスクをとった運用をして大きなリターンを目指すことも可能です。掛金合計もまだ少ないため値動きの影響も小さいですし、リカバリーも効きやすいです。
一方、セカンドライフが近くなった50代の場合は、徐々にリスクの小さい資産にシフトしていく安定運用への見直しが考えられます。確定拠出年金を始める年齢が遅い場合も、国内外の債券の比率を多くした資産配分が検討されます。大きく増やすよりも、積み立てた資産を守ることに軸足を移していく、というイメージです。

定期的なチェックと見直しで、リスクを抑え安定したリターンの期待できる運用をしていきましょう。

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